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2008-08-31

レッド・ツェッペリン !!

先日、広島パルコの新館に行ったら、8階に楽器屋があって、そうすると当然、エレキギターとかも置いてあるわけだ。
ちらちら眺めていると、なんと最近は、フェンダーというエレキギター界では老舗の会社の、テレキャスターというギターが、5万円ほどで売っているのである。これは僕が好きなロックグループであるレッド・ツェッペリンのギタリスト、ジミー・ペイジが、デビューのころ使っていたものだ。


思わず身体がカーッと熱くなり、店員に頼んでアンプにつないで弾かせてもらったりすると、またこれがいい音がするわけで、欲しくて欲しくて仕方なくなった訳だが、渾身の力をふりしぼって冷静さを取り戻し、よくよく考えてみれば、というか、それは考えなくても自ずと明らかなことなのだが、ギターを買えば当然ひと前で弾きたくなり、そうするとバンドを組んだり、練習してライブをしたり、ということに発展していくに決まってる。でも今の僕にはそこまで時間はさけないな、ということで、熱くなった身体をなんとか冷まし、あきらめた、ということがあった。

僕はそうやって橋の手前で踏みとどまったわけだが、世の中には橋を渡ってしまう人も多いのだろう。
オヤジバンドが盛り上がっているらしい。

学生時代のバンド仲間とは縁を切り、かたぎになって就職し、がむしゃらに働いてきたのだけれど、四十をすぎてそろそろ定年が視野に入ってくると、自分の人生、何なのだろうと考えはじめる。ふと気づくと、昔は高嶺の花だったエレキギターや色んな機材が、酒を飲んだり車を買ったりするのをちょっと我慢すれば、手の届くところにある。なんだ、そうだったのか、それでは夢をもう一度、とばかりにバンドを始める、といったところなのではないかと思う。

僕はMixiにもちょこっと顔を出していて、そしたら広島在住のレッド・ツェッペリン好き、ということでだろう、レッド・ツェッペリンのトリビューンバンドをやっているという、40歳の人から連絡があって、ライブをやるので来ませんか、と誘われた。
「トリビューンバンド」という言葉は初めて聞いたのだが、あるバンドの、曲をただコピーするというだけにとどまらず、姿かたちから、使う楽器や機材まで、すべてを丸ごと真似してしまうバンド、という意味らしい。

名古屋にレッド・ツェッペリンの、今思えばトリビューンバンドなわけだが、CINNAMONという、その世界では有名な人たちがいて、これはオヤジバンドではなく、というか年齢的にはオヤジなわけだが、最近ぽっと始めたのではなく、もう30年以上活動している大御所なのだけど、ライブが大須であったので見に行ったら、とても面白かった。
だいたい僕もツェッペリン好きなので、ツェッペリンの曲がライブで聴ける、というだけで、他愛もなくワクワクしてしまうのだ。
ということで今回も、広島からJRで40分、山口県の岩国へライブを見に行ってきたというわけだ。

岩国はすごいところで、米軍基地があることも関係するのだろうか、岩国Rock Countryというのだが、ロック専門のライブハウスが、駅から5分ほどの繁華街のど真ん中、福屋の隣にある。話はしなかったが、スタッフ席にミッキーカーチス


みたいな見た目の、かなり気合がはいった人がいたので、おそらくその人がオーナーなのだろう。
今どきロック一本のライブハウスを、地方都市とはいえ街のど真ん中で経営していくというのは、よほどの信念を持っていないかぎり出来ないことだと思う。

ライブのタイトルは「Legendary Rock Fest」だから、「伝説のロック祭」だろう、伝説のロックと呼ばれるにふさわしい、エリック・クラプトン



やジェフ・ベック、ジミ・ヘンドリックス、ホワイト・スネイク、そしてレッド・ツェッペリン、などをやるバンド、4グループが競演するという企画だった。
それほど広くはない会場ではあるが、超満員で、立ち見も出るほどの盛況ぶりだった。
客はほとんどが、出演バンドのメンバーの家族や友人など関係者だったようだったが、飛び込みで来た人も何人かいたようだ。

初っ端はエリック・クラプトンのコピーバンド。
2ヶ月前に結成した岩国の地元のバンドだそうだが、絵に描いたようなオヤジバンドで、演奏も歌もびっくりするほどしっかりしているのだが、「え、この人がクラプトン?」


という意表をついたキャラクターや、全体として何となく、「オヤジのカラオケ」チックな雰囲気をかもし出しているところに、ほのぼのとするものがあった。

二番手はジェフ・ベックとジミ・ヘンドリックス担当だが、ギタリストは日本のトップギタリスト、チャーにそっくりで、


チャーの曲も2曲やってくれたが、かなりのテクを披露してくれた。

さて次がいよいよレッド・ツェッペリン。
MR. HENRYというバンド名で、去年の11月に結成されたそうだが、これはすごかった。
まずすごいのは、ツェッペリンのドラマー、ジョン・ボーナムが使っていたドラムセットを再現し、直径1メートルはあろうかというドラから、ティンパニまで、全部持ち込んでいたこと。

 

アンプなどほかの機材も大量に持ち込んでいたから、金もかかっているだろう、しかしやはり、すべてを真似るトリビューンバンドとしては、この意気込みは大切だと思う。

メンバーは全員、普段はかたぎの仕事をしているアマチュアなので、髪の毛は当然短髪なのだが、この日は長髪、アンド、金髪のズラで登場。


ちょっと文化祭チックな感じだが、そこまでする、という心意気が、またなかなか良かった。

演奏はかなりすごくて、ツェッペリンはメンバーが全員、演奏がうまい、というだけでなく、それぞれとても特徴的で、その個々の特徴が全体として大きく融合されて、ツェッペリン独特の迫力あるサウンドを生み出すのだが、このMR. HENRY、メンバーがそれぞれ、そういう特徴の細部を再現しようという意気込みにあふれていて、見ていて爽快だった。

演奏のポーズももちろん、忠実に再現されている。

本家との比較編、2例。

ジミー・ペイジの演奏のポーズ。
MR. HENRY:


本家:


ジミー・ペイジとロバート・プラントのからみ。
MR. HENRY:


本家:


1時間のステージだったが、時間のたつのが早く、あっという間に終わってしまった。

最後に登場したのは、ホワイト・スネイクをやるバンドだが、この人たちはほとんどプロに近いのだろう、長髪もズラではなく地毛で、演奏や、ステージ上での客のあしらい方も、ほんとに達者だった。


ライブハウス側としては、やはり素人だけに任せるのは怖いので、最後におさえとして、きちんとプロを配置する、ということだったのだと思う。
しかしまあ、伝説のロックを今に再現する、という今回の趣旨で考えると、演奏のうまさはもちろん必要だが、うまいだけでは意味がない、そうではなく、やはり本家をどこまで愛情をもって忠実に再現するのか、というところが重要なポイントになるのだと思う。
そういう意味で今回、MR. HENRYは、本家、レッド・ツェッペリンへの愛にあふれており、会場がたいへん盛り上がったのはそういう所だったと思う。

MR. HENRY、9月20日には、五日市のMOTOR BREATHで、あの日本語直訳ロック「王様」の前座をつとめるそうです。