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2008-10-18

松江 「神代そば」

出雲そばはそばの甘皮まで挽き込み、信州そばに比べると色が濃くしっかりそばの味がするのが特徴だが、出雲そばという名前から出雲市周辺が本場かと思いきや、実はそうではないとこの店のホームページ に書いてあった。
松江こそが発祥の地であり、松江の藩主であった松平直政が信州松本から松江に移封された時、信州からそば職人を連れてきたのが出雲そばの発祥だったそうだ。

松江で出雲そばの有名な店としては「八雲庵」というのがすぐ近くにあるのだが、こちらは昔の武家屋敷をそのまま店舗として使っていて大変風情があり、来店した芸能人の色紙も大量に飾ってあって、松江の人も他県の人を案内するならここ、というような店なのであるが、こちら「神代そば」はそばの味そのものにこだわった求道派、広島のお好み店で言えば「みっちゃん」に対する「八昌」とでも言えるのだろうか。
昭和27年創業だから新しくはないのだが、去年道路拡張工事のために観光の中心地とも言えるここ松江城の北側に移転し、店主も代替わりし、まさにこれから勝負をかけていこうというようなところなのだと思う。

建物は新しいが、八雲庵に比べれば風情としては劣るが十分心地良く、洒落た店構えである。
味はこちらの方がおいしかった。
十割そばといってそば粉100パーセントなのだそうだ。

とろろ割り子1,230円。

月見のとろろを溶きほぐして薬味と一緒にそばにかけ、そばつゆをかけまわして食べるのだが、そばの味がしっかりしていて大変おいしい。
出雲そばのつゆは普通はもう少し甘めなのだが、こちらは信州そばと同様の辛口。
まあ僕はそば通ではないのだが、大変満足した。

ちなみに割り子そばというのは出雲そば独特の食べ方で、松江藩7代目藩主の松平治郷という人が大層な洒落人で、不味公(ふまいこう)という雅号も持っていたそうだが、その不味公が考案したらしい。
たしかに洒落たそばの食べ方だと思う。
不味公の影響なのだろう、松江は全体として本当に洒落た街である。

神代そば (かみよそば) (そば / 松江しんじ湖温泉)
★★★★ 4.0