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2008-10-12

広島五日市 観音神社 神楽


以前「花火ざんまい」という方からメールをもらったのだ。

ここから-----

高野さま

ブログ楽しく拝見しました。まだ広島での生活が浅いのに、よくあちらこちら探訪されているようですね。
広島ラーメン、多くの店では中華そばと呼ばれていますが、西日本では和歌山、徳島とともに、ラーメンのおいしい地域だと思います。
秋祭りのシーズンが近いですね。広島の秋祭りはおもしろいです。広島市周辺の本来の秋祭りは、安芸十二神祇神楽(芸北神楽とは異なります)が演じられ、またその合間に吹火(伝統花火)が奉納されるスタイルですが、現在このスタイルが継承されている神社は少なくなりました。
広島市内からアクセスの良いところを2箇所紹介すると、五日市(坪井)の観音神社(楽々園から北に徒歩 スーパーユアーズからさらに北へ 10月11日(土))、旧高陽町の真亀神社(芸備線玖村駅から北へ徒歩 10月25日(土))あたりでしょうか。広島在のうちに一度見ておくといいのでは。
余計なおせっかい、失礼しました。

花火ざんまい
広島の花火HP http://www1.odn.ne.jp/~cbi69030

ここまで-----

神楽というと神前結婚式とかで巫女が舞うやつだっけ、という位なもので、全然イメージが沸かない。
ましてやお祭りで神楽を踊るというのは、僕もこれまで色んな祭りには行ったことがあるけれど、そういうのは見たことがなくて想像がつかない。

でも実際、中国地方は日本の古代文明の中心地なんだよな。
出雲大社あるし。
神楽というのもちょっとネットで調べてみると、古事記・日本書紀の時代に端を発するもので、中国地方に伝わるのは「出雲流神楽」と言われるもので、その中でもさらに色々な流派があるらしい()。
広島市の神楽は上のメールにある通り「安芸十二神祇神楽」という分類だそうだ。
神楽ファン必見サイト」というのもあり、だいたい「神楽ファン」というものが存在すること自体、今回初めて知ったわけである。

という訳で行ってきた、五日市・観音神社。


6時半頃着いたのだが、すでに始まっているようだ、お囃子の声が聞こえる。


鳥居を入ってすぐ手前には屋台があるが、


奥に舞台がしつらえられていて、こちらが明らかにメイン。
僕のイメージではお祭りというと「おみこし」「屋台」となるのだが、これは本来のお祭りから「神楽」を差し引いたものなのかもしれない。
まあ「本来の」というのも変だけど。


この舞台上で様々な神楽が「奉納」される。
神楽はあくまで神様に捧げるするものなのだ。


脇ではお囃子が、いわゆるお祭りの時に流れるようなああいう調子の音楽を演奏している。
ていうか、僕はこういうのはお祭りのBGMとしてテープで流れているものしか聞いたことがなかったのだ。

夜6時半にはもう始まっていて、結局終わったのは10時半すぎ。
演目はだいたい一つ20分位だろうか、途中それが10以上はあるのだと思う。
「安芸十二神祇神楽」だから12なのかな。
一人で踊るのから何人かで踊るもの、面を付けるもの付けないもの、台詞があって劇のようになっているものなど色々な種類があった。


これは「きつね舞」と言ってひょっとこが狐に化かされる話。
ひょっとこ一人と狐は子供たちで、しかもお菓子を客席に投げるパフォーマンスもあり、


子供たちはかぶりつき状態。
こうやってきちんと子供たちのハートをつかみながら、伝統芸能を継承していくのだろう。


演目の合間には「吹上花火」というものが打ち上げられる。
打ち上げるというか、その名の通り吹き上げる形だ。
これも神社ごとに製法が決まっていて、門外不出で誰にも教えないそうだ。
アルミニウムやチタンなどが入っているものもあるが、ここでは鉄だけ、だから黄色いのだそうだ。


「弓舞」という面をつけない男性が弓を持って踊る舞。


「四宝」と言って、子供たち4人で踊る。


「鯛つり」。これは鯛が釣れるまで何度もお菓子が釣れてしまい、それを客席に投げるので、子供たちはもう歓喜の渦。


「荒平」。これはたぶん荒ぶる魂をもった輩が神の力によって清められる、という感じの話。
台詞がある。

途中はいくつか抜けているのだが、最終演目は「八岐大蛇(やまたのおろち)」。
これは一時間近い長尺だ。


主人公のスサノオの命。


アシナズチ、テナズチと、クシナダ姫。
娘のクシナダ姫が八岐大蛇に食べられてしまうと言って嘆いている。


八岐大蛇登場。
見栄のポーズが何種類もある。


じゃん。


じゃん。


じゃじゃん。

大蛇の胴の部分を使って色々なポーズを作る。
おー、という感じ、かなり見ごたえがある。


そして大蛇とスサノオの命の戦い。


スサノオは無事大蛇を退治して、


クシナダ姫と幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。

宗教的な内容を人々に分かりやすく伝えることを目的としているのだと思うが、お菓子を配ったり大蛇との丁々発止が迫力満点で繰り広げられたりと、娯楽性も満点。

中国地方、さすが神道の本場、こういう文化が地域の神社で脈々と受け継がれているのだ。
すごい。