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2008-12-17

広島庚午北 鉄板焼・お好み焼き 「百舌(もず)」


高須の商店街にあるのだが、外観はこの手の店にしてはおしゃれ。
だいたいお好み屋に必ずあるといって良い、「のれん」も「のぼり」も出ていない。
ちょっとしたレストランか美容院のような風情だ。
おやじな僕はそういう店は無意識に自分の分野外と思っているところがあったみたいで、「近所のお好み屋にはひと通り行った」と思っていたのだが、この店を勘定に入れるのを忘れていた。

店内は、大きな鉄板が真ん中にあり、奥にテーブル席。
ちょっと派手めのママに、若いお兄ちゃんとお姉ちゃん。
聞かなかったが、たぶん息子さんと娘さんかなという感じ。
二人とも前向きに黙々と仕事をこなしていたが、年頃の子供たちにきちんと家業を手伝わせているのだとしたらすごいな。
作業はほとんどこの若い二人がまかされ、ママは接客と渉外担当という感じだった。

料理は基本は「鉄板焼き」なのだと思う。
お好み焼きも出すが、たぶん鉄板焼き料理の一つと捉えられている感じ。
それも広島風に加え、関西風も出す。
「色んなバリエーションがあったほうが楽しいでしょ」という感じなのだろう。
鉄板焼きはステーキからホルモンまで、ひと通りのものがある。
魚介類のメニューも色々あったな。
そのほか何品か、カウンター上の大皿においしそうな惣菜が作られていて、食べ物の種類はけっこう豊富。
お酒もビールから焼酎までひと通りあるが、突き出しはださないので「飲み屋ではない」ということなのである。

そういう店なので今日は僕のほかに5組の客がいたが、そのうちこの手の店には有り勝ちなおじさんは一人だけ、あとの4組は全員中高年の女性、ほとんどは一人で来ていた。
「女性でも一人で抵抗なく入れる店」というのがコンセプトなんだと思う、たぶん。

僕は当然まず生ビール。


大皿の惣菜も魅力的だったが、やはり鉄板焼きの店だから鉄板焼き料理を食べてみようと思って、「砂すり」を注文。


広島では「砂ずり」だが、東京では「砂肝」という。
若いお兄ちゃんが焼いてくれるのだが、ていねいに心をこめてやろうとしているのが伝わり好感がもてる。
味付けはにんにくと塩コショウ。
蒸し焼きにしたキャベツの付け合わせがいい。

この辺で僕は芋焼酎ロックに進行。


そしてお好み焼き。
ここのメニューは「肉玉そば」とかいう風になっていなくて、「肉・玉子入り」が580円で、そばはトッピングの項目の中に入っていて100円、というようになっていた。
お好み屋っぽさを消すということと、いろいろ食べるから女性はそばなしを頼む人も多い、ということなんじゃないかと思う。
実際ほかのお客さんは関西風を注文している人が多かった。
関西風のほうが酒のつまみになりやすいしな。
でもぼくは当然、広島風の肉・玉子・そば入りを注文。


焼き方は地域の新らしめのお好み屋によくある、袋麺を本体とはべつに焼いてソースで味をつけ、あとで合体させるやり方。
店の性格上お好み焼きをそれほど重視していない(たぶん)ので、まああまり特徴はない、普通の味だが、魚粉を使わずに昆布粉を使っているらしいのが女性向きかなというのと、ガーリックとコショウがアクセント、というところなんじゃないかと思う。
まあでもこれもお兄ちゃんが一生懸命作ってくれるので、見ていて癒される。

かれこれ1時間ほどいただろうか、そのあいだ僕もとくべつ誰にも話しかけなかったし、店の人たちもことさら話しかけてはこないのだが、気を遣ってくれているのは伝わってくるし、一人で行っても寂しくなることはなかった。
店全体にゆったりした空気が流れていて、居心地がいい。
またいこ。

百舌 (mozu) (お好み焼き / 高須)
★★★★ 4.0