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2009-01-21

岡山 「天神そば」


「天神そばがうまい」という噂は聞いていたのだが、今回初めて行くことができた。
店頭および店内は物で溢れかえっており、ちょっと異様な雰囲気。
この日店主はチャーシューの仕込みをしており、そのため、いつもは5時閉店のところ、6時を過ぎても店を開けていたのだが、カウンターには山のようなチャーシューが積み上げられていて、これを何日で使うのかと訊くと、「1日半だ」とのこと。
びっくりしていると、
「俺はこういうのをケチるのが好きじゃないから、すぐに使っちまうんだよ」というところから始まり、肉は普通のとこだと煮ても目方が2割しか落ちないが、自分のところは4割落ちるとか、ラーメンとはそもそもどんなものであるかとか、営業時間がどうで、ここに来るお客さんはどんな人で、「僕が広島から来た」というと、広島のラーメンはどうで、自分の親戚で原爆にあった人がいて、その人がどうで、などなど、まあこちらが色々質問するからなのだが、延々と話してくれる。
60代という感じの人だが、「話し好き」というよりは、強烈な個性の持ち主なんだな。
そしてこのありとあらゆる物で溢れかえった店は、店主の宇宙そのものなのである。

注文は、店主が「普通にするか、大盛りにするか」と訊くので、「大盛り」800円を注文。
普通は750円。


1.5玉だと言っていたので大丈夫かと思ったが、出てきたら物凄い量で、「俺のところは一玉が大きい」のだそうだ。
正直「普通にすれば良かった」と、ちょっと後悔した。
けっこうな大きさのチャーシューも5枚も入っていて、チャーシュー麺かと思うくらい。

スープは鶏がら。
正統的な、クセのない、端正な味。
麺は中細の、ちょっと黄色くてまっすぐなやつ。
昔のラーメン屋でよくあったようなタイプだな。
チャーシューはもも肉だそうで、十分やわらかいが、とろとろというわけではない。
それにもやし、メンマ、かまぼこ、青ネギ。

スープを一口飲むと、僕の真横に座った店主が、「これがうまいんだ」と言いながら、卓上の一味唐辛子を振りかけ始めた。
見る間にすごい量になり、「もう一回写真を撮れ」というので撮ったのがこれ。

辛そうに見えるが、実はこの唐辛子、ほとんど辛くない。
韓国唐辛子なのかな。
辛くはないが、唐辛子独特のさわやかな風味が増して、スープが硬質な感じになる。
これが最近の、かどうかは知らないが、店主のお気に入りらしい。

通常時間外の営業だったからだろう、お客は僕一人だったため、食べているあいだもずっと、店主は色々話してくれて、帰るとき、僕は危うく、お金を払うのを忘れるところだった。
親戚とか、知り合いの家に来たような感覚になっていたんだな。
どうやら僕も、店主の宇宙に巻き込まれてしまったようである。

天神そば (てんじんそば) (ラーメン / 城下、柳川、県庁通り)
★★★★ 4.0

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