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2009-01-26

岡山グルメ 洋食とラーメン「やまと」

岡山も帰ってきてから数日が経ってしまったが、まだいくつか書いていない店があるので。

地方、ってまあこう言うと東京風を吹かせているようだが、自分が育った地域以外の場所、へ行くと、「これとこれは組み合わせないだろ」というものが、けっこうあって面白い。
広島でよく、「居酒屋とラーメン」が組み合わせられていることがある。
ビールを飲みながらおでんをつつき、そのあとラーメンでしめる、みたいな利用の仕方をするのだが、餃子なら分かるのだが、おでんとラーメンというのは、東京の人間の感覚からすると、ほとんどあり得ないんじゃないかと思う。
でもこれは、居酒屋に行ったら、その後は結局ラーメンでしめるわけだから、わざわざハシゴせずに、一軒で全てをまかなえるというのは、便利といえば便利なのである。
あと広島で、「焼肉屋とラーメン」の店というのも多い。
僕はまだ行ったことがないのだが、考え方は同じなのだろう。

と、その位まではまだ理解できるのだが、岡山はすごい。
「洋食屋とラーメン」の店があったのだ。

メニューは、ラーメン、それからトンカツとか、オムライス、ハヤシライス、カツどん、などなどの洋食料理。
しかし不思議なことに、カレーはない。
昼の12時ちょっと前で、店内を覗くとすでに満員。
繁盛店のにおいがしたので、入ってみることにしたのだった。
実際12時を過ぎたら、ずらっと行列ができていた。

注文をどうしようかと周りを見回すと、「ラーメンと小カツどん」というのを頼む人が多かったので、僕もそれを注文。
ラーメンとカツどんは、それぞれ「大、中、小」と3種類あって、要はそれぞれを組み合わせの「相手」とすることができる、という意味なのだと思う。

ラーメンと、

小カツどん。

ラーメンは、意外だったのだが、ダブルスープ、動物系のだしと魚介系のだしを合わせたものだった。
かなりこってりしていて、実際どうなのかは知らないが、食べた感じとしては、豚骨と鶏がらのだしに、サバ節のだしが加えてある、というような味。
ダブルスープって、たぶん好みがはっきり分かれるものなのじゃないかと思うのだが、この味は、動物の味と魚介の味が、互いにケンカしているような感じがして、僕はあまり好きじゃなかった。
でもたぶん、こういうの好きな人、多いと思う。
チャーシューがまた、トロトロ系だったので、メタボなサラリーマンの人とか、たまらないんだろうな。

僕は小カツどんのほうがおいしかった。
カツがほんとにうまく、さっくり揚がっていて、詳しい値段は忘れたが、けっこう安いのに、肉の厚さはそこそこある。
中はピンク色、そしてジューシー。
かかっているのはドミグラスソースで、ドミグラスソースのカツどんって、ちまたではほとんど絶滅してしまったよな、でもここでは、きちんと時間をかけて、ていねいに作りました、という感じの、かなり本格的なドミグラスソースがかかっている。

詳しいことは知らず、想像で言うのだが、たぶんこの店、もともとは洋食の修行をした店主が、出店時にメニュー構成を考えるとき、今は洋食一本ではなかなかお客が集まらないから、他とは違う、何か変わったことをやろう、ということで、ラーメンを出すことにしたのではないかと思う。
その代わりに、この店が切り捨てたのが、カレーだ。
ドミグラスソースとラーメンのスープを仕込むことにして、カレーを出さないことにするという決断、洋食屋としてはかなりのものだと思うが、それが成功した、ということだろう。

ちなみにラーメンと、ドミグラスソースのカツどんは、まったく合わない。
しかしこういう商売、合う、合わない、の問題ではないのだ。
実際、女将さんと見受けられる人を初めとして、店の人たちの接客の感じも大変よく、誠実に商売をしている、かなりの良店であると思った。

やまと (定食・食堂 / 県庁通り、城下、郵便局前)
★★★★ 4.0

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