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2010-10-25

手づくり洋食屋 手塚

東京に住んでいた頃には、洋食屋というものはついぞ見かけたことがなく、浅草とかにでも行けば、老舗の店があるのかもしれないが、それ以外はもう死に絶えたと思っていたら、東京以外の町には、けっこうあるのだな、洋食屋。名古屋でもけっこう見かけたし、広島では「喫茶店」と名前の付くものが、実は洋食屋だったりする。それも不思議なのだが。

京都も例外ではなく、洋食屋は多い。繁華街のことはよく解らないが、住宅街の裏通りなどに、いかにも「街の洋食屋」という風情の店を、ものすごくたくさん見かける。これどうなんだろう、ほかの都市に比べても、京都には洋食屋が多いのじゃないかという気がするのだがな。

京都といえば、当然和食だろうと、外から見ると勝手にイメージするのだが、実はラーメンがうまかったり、この洋食屋や、あと喫茶店とパン屋も多い。不思議なところだ。京都といえば、まずは「古都」なのだが、同時に大学の街でもあるわけだから、意外に進歩的なのかもな。共産党も盛んだし。歴史と革新が共存するところなのだ。おもしろいな。

この「手づくり洋食屋 手塚」は、食べログで調べて、わりと評判がよかったから来てみた。わりと新しい感じの、こぎれいな店。どちらかといえば、女性にターゲットを当てている感じ。午後1時をだいぶ過ぎて行ったのだが、ほぼ満員に近かった。

とりあえずビール。この頃は、昼にはビールは飲まないようにしていて、それは午後眠くなってしまうからなのだが、考えてみたら、ビールを飲まなくても、午後は眠くなるのだから、そんなことあまり気にすることでもなかったのだ。

メニューの筆頭はチキンソテーだったが、ここはやはり洋食の定番、ハンバーグを注文。定食で850円。

ハンバーグ定食。

洋食屋といえば、やはりポイントは、何といってもドミグラスソースだろうが、ここのドミグラスソースは、たぶんトマトが入っているのだな、赤みがかっていて、ちょっと酸っぱい。たしかにドミグラスソースって、日本人的にはどうかと思わなくもないな。実際とんかつについては、ドミグラスソースは放棄して、もっと酸味がある、ウスターソースになってしまったわけだからな。この店も同じ考えで、本式にこだわるよりも、日本人の嗜好に合わせた、ということなのだろうと思う。

付け合せは、粉チーズのかかったパスタと、ザワークラウトをベーコンと一緒に煮含めたようなもの。粉チーズと、トマト風味のソースが、なかなかマッチしていてよい。サラダはべつに付いている。ドレッシングはゴマ風味。

これに、この店では味噌汁とタクワンが付いてくる。洋食屋というのは、こだわったスープを出したりするところが多いが、いやたしかに日本人にとっては、白めしを食べるには、味噌汁とタクワンの方がいい。これは洋食屋としては、「定食屋」と呼ばれてしまう危険を孕むわけだが、あくまで現実的なのだな、この店は。

味噌汁は赤だし。京都といえば、白味噌が有名だが、赤だしが出てくることもけっこう多い。だしもうす味かと思っていたら、真っ黒なラーメンもあったりするし、要は京都というのは、名古屋が何にでも八丁味噌を使うというように、白味噌やうす味にこだわっているということではなく、その料理に合わせて、TPOをわきまえた調味料を使うということなのだ。考え方が洗練されているのだよな。実際ハンバーグには、赤だしが実によく合うと思った。

全体としてこの店、洗練されていながら現実的。二律背反をあわせ持った、なかなかのセンスと言えるのじゃないでしょうか。


手づくり洋食屋 手塚 洋食 / 丸太町駅(京都市営)二条城前駅烏丸御池駅
昼総合点★★★★ 4.0