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2011-08-14

昨日は第一旭のラーメンにネバネバそばを食った

東京ではよく遊んできたから、おれもそうそう遊んでばかりいるわけにもいかず、昨日は一日根を詰めていろいろやってた。根を詰めるといっても、おれの場合ちょっと一段落すると、すぐにタバコを吸いたくなってしまうところが問題だ。それも本当の一段落でタバコを吸うならいいのだが、途中の小さな一段落でいちいちタバコを吸ってしまう。仕事をしている時間よりタバコを吸っている時間のほうが長いんじゃないかと思うくらいで、そんなことじゃいけないということくらい、おれだってわかってる。

この問題を一挙に解決する方法があることを、おれは知っているんだが、まだそこには踏み出せないでいる。禁煙することだろうと思うかもしれないが、そんなことをおれがするわけない。そうではなく、部屋でタバコを吸うことだ。今部屋でタバコは吸わないようにしているから、タバコを吸うためにはいちいちベランダに出なくてはいけない。そうなると仕事の時間が中断するということになるわけだ。ところが部屋で仕事をしながらタバコを吸うということになれば、タバコを吸う時間は、仕事のロスタイムにはならないことになる。

しかし長年部屋ではタバコを吸っていないから、部屋がタバコのヤニで汚れるということには抵抗がある。壁紙がタバコで汚れると、部屋を出る時大家に金も取られる。それも馬鹿らしい。そんなこんなでちょっと仕事をしてはタバコを吸うということを続けている、非効率的なおれなのだった。


しかし文章を書くという時のタバコの吸いたくなり具合は、半端ないものがある。おれは大学の頃建築の勉強をしていて、図面も書いたりしたことはあるのだが、そういう時には、細かい根を詰めた作業であっても、そこまでタバコを吸いたくなったりしなかったように思うんだがな。単純作業を延々とするということも、やはりそうそう、タバコを吸いたくなった記憶はない。

最近とにかく朝から晩まで文章を書き続けるようになり、文章を書くというのが意外に奥深い世界だということがだんだんわかってきた。いやそれはもちろん、世界中の文学というものが、文章の力によって成り立っているわけだから、おれに言われなくたってハナから奥深いに決まっているんだが、それをバカなおれも、ちょっと感じるようになってきたということだ。

文章を書くというのは、もちろん「話す」ということが基本にあるには違いない。人間は元々文字などもっておらず、文章を書かなかった時代から、言葉を話してはいたわけだ。だから文章を書くということも、言葉を話すということも、同じようなところがあるわけなのだが、大きく違うところもある。

第一に文章を書くときには、目の前に相手がいない。だから書きながら、自分で相手を思い浮かべないといけないことになる。それから文章を書く時のスピードと、話す時のスピードというのはかなり違う。ワープロで書くのがずいぶん早くなったとは言え、それでもまだ話すのに比べたら、遅いし、漢字を変換するなどの手間もかかるだろう。そういう、人が言葉を話す時の状況とはちょっと違った状況の中で、言葉を話すような気分を保ち続けるというのが、けっこう骨が折れるんだよな。

話をする時というのは、相手が頷いたり相槌を入れたりしてくれるものだが、そういうこともない。相手が自分の話に対して思ったことを、その場で聞くこともできない。そういう中で、あれこれ自分で相手の反応を考えたりしながら、文章というのは書くことになるわけだけれど、それが人間にとってはやはりやや不自然なことだから、そのストレスでこれだけタバコが吸いたくなってしまうのじゃないかという気がおれはしている。

ってこれ、タバコを吸うことについての単なる言い訳か。


昨日は朝京都へ帰ってきて、腹が減っていたから何か食おうと思ったが、京都駅の近くで一つ食い物を上げるとしたら、やはりこれだな。


第一旭たかばし本店。

これはほんとに大したラーメンで、男っぽい、かなり攻撃的なラーメンなのだが、なんとも品があるんだよな。

西日本のラーメンの標準の、豚骨醤油のスープなのだが、他の豚骨醤油に比べると、かなりの特徴がある。

豚骨スープというと、まあもちろん色んなのがあって、濃いの、薄いの、鶏ガラやら昆布やらかつお節やら色々入れたものとあり、どれもそれぞれおいしいわけだが、この第一旭のラーメンは、スープが完全に澄み切っている。これはスープを取るのに、豚骨だけで、その他野菜などは一切入れないとのことで、それを弱火で煮出して、濁る直前に火を止めるというようにして作るらしい。

この澄み切った豚骨スープに、香り高いしょうゆが合わせてあって、豚骨スープというのは、材料としてみると和風料理には使われないが、この澄んだスープとしょうゆの組み合わせというところに、さすが京都と言いたくなるような、上品な和食料理のセンスを感じるのだよな。

澄み切ったスープのラーメンといえば、東京の中華そばにもそういうのがあるのだが、東京が鶏ガラを使うのに対して、こちらは豚骨。それが男性的な感じがして、まさに高倉健か鶴田浩二が、着流しを着て刀を持っているような、そういう感じがしてくるのだ。

第一旭たかばし本店は、京都駅からちょっと東へ行ったあたりにあり、隣に新福菜館の本店があるのだが、この二軒だったら、第一旭のほうがうまいとおれは思う。新福菜館だったら、お手数だが足を伸ばして三条店まで行ってくれ。



昨日スーパーへ行ったら、とうとうこの日がやってきた。今まで198円という考えられない値段で売られていたオクラが、ようやく50円。これは一日くらい古いやつみたいで、新しいのは98円で売ってたが、なに問題はない。さっそくこれで再びネバネバそばを食うことにした。


そばの上に、とろろ芋、納豆、オクラ、卵の黄身、それに青ネギとかつお節と刻み海苔。あ、わさびを忘れたな。


それにしょうゆをぶっかけて、ぐしゃぐしゃに、念入りにかき混ぜて食う。

これはもちろん、しょうゆでなく麺つゆを使えば、うまいに決まっているのだが、おれは麺つゆのようなものを家で使うのは好きじゃないのだ。だいたい山芋に納豆に卵の黄身に、かつお節刻み海苔まで入っているのだから、これでうまみは十分すぎるくらい十分だ。麺つゆなど使うというのは、贅沢というものだ。

ネバネバそばは夏らしくあっさりしているのだが、スタミナは十分付きそうで、しかも酒によく合う。三拍子揃ったいい奴ですな。