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2011-10-14

3枚におろすところから自分でやってみる。さんまの照り煮


さんまの季節が、まさに真っ盛り。さんまはただ塩焼きにすれば、それで十分すぎるほどおいしいわけだけれど、せっかくだから塩焼き以外の料理法にも、色々チャレンジしてみたいところだ。

それで今回参考にしたのは、「ねこおやじさん」のブログ。ねこおやじさんは広島で居酒屋を経営しているが、ただ経営するだけでなく、自分で先頭にたって包丁をにぎる。お店や家で自分が作る料理のレシピをブログに載せてくれているのだが、プロの業が光るレシピばかりで、いつも勉強させてもらっている。

さんまを焼くだけじゃなく、煮てみたいわけだけれど、さんまを煮るといえば、有名なのは「甘露煮」だろう。長時間コトコト煮て、さんまの骨まで食べられるようになるわけだが、圧力鍋もないしと思い、踏ん切りがつかずにいたところ、ちょうどねこおやじさんの「照り煮」を見て、やってみようと思った次第。

照り煮はさんまを3枚におろし、それを甘辛く煮付けることになる。以前さんまを3枚におろした時には、ちょっと失敗してしまったので、今回はネットでレシピを調べ、慎重にやってみた。




まず必要なのは、包丁を研いでおくことだろう。安物の三徳包丁に、家庭用の簡易研ぎ器だが、今回さんまをおろすのにはこれで十分、まったく問題なかった。


まな板の上のさんま。ねこおやじさんは200円以上の高いのを買えば、脂の乗りが全然ちがうと書いているが、これはグルメシティで買った98円。


まずさんまの頭を落とし、腹を肛門のところまで切り裂いて、はらわたを掻き出し、水でよく洗う。水はキッチンペーバーでよく拭きとっておく。


包丁を中骨の上のところに当て、左手で身をおさえながら、そのまま中骨に沿って、包丁を前後に動かし、尻尾のところまで切り裂いていく。


非常に簡単。これで半身が終了。


裏側もまた、中骨の上に包丁を当て、左手でおさえながら、そのまま中骨に沿って、尻尾まで切り裂く。


あっという間に3枚おろしは完了。



ねこおやじさんのレシピによると、さらにまず、腹骨をすかないといけない。


腹骨の下に、腹骨と平行に包丁を押し当て、そのまま腹骨に沿って、包丁を入れる。


腹骨がすけた。もうひとつの半身も、同じようにして腹骨をすき取る。

ねこおやじさんは、「中骨も骨抜きでぬく」と書いているのだけれど、これはあまりに面倒くさいので省略した。でも骨が舌に当たることはまったくなかったので、さんまを刺身でなく、煮て食べる場合は、中骨は取らなくてもだいじょうぶなのだと思う。


これでさんまの下処理はすべて完了。もう一度水で洗い、キッチンペーパーで水を拭き取る。


これを3等分程度に切っておく。



魚の煮付けには、やはり野菜を炊き合わせたいところだけれど、魚に炊き合わせるのに何といっても最適なのは、やはりごぼう。

やわらかく脂の乗った魚の食べ応えに対し、コリコリとした歯応えがたのしいし、ごぼうは固そうに見えて、意外に火の通りが早いので、魚をさっと煮付ける間に十分やわらかくなる。


ごぼうはナイロンたわしで洗い、斜め切りにして、水にひたしてアクを取っておく。



魚を煮付ける場合、いちばん大事なのは、「何分煮るか」ということだ。

あまり短いと、火が通らないのはもちろんだが、魚は煮過ぎると、パサパサになったり、固くなったりする。

「10分」が標準だと思うが、さんまは肉の厚みがあまりないから、あっという間に火が通ると見て、7~8分の煮時間でやってみた。これはまったく問題なくおいしかったです。

この7~8分の煮時間で、煮汁がちょうどよく煮詰まるようにしたいわけだけれど、フライパンで、強めの中火で煮た場合、10分の煮時間で煮詰まる水の量は、だいたい1カップ。これを目安に、15分煮るなら1.5カップとか、適宜調整するようにする。


今回は7~8分だから、水の量はまあ1カップ弱程度。

この「水」は、水と酒を半々で割る。酒の量は、多ければ多いほどうまい。酒は煮汁の旨みを増すのと共に、魚の臭みを取ってくれる、何ともいい奴なのだ。

ちなみに、これは聞いた話だが、酒が魚の臭みを取るのは、沸騰し始めてアルコール成分が蒸発する時なのだそうだ。アルコールが蒸発する時に、魚の臭み成分も、いっしょに鍋の外へ連れ出してくれるらしい。だから煮汁が完全に沸騰し、アルコール成分がすべて蒸発してしまってから、魚を入れてしまうと、臭みを消す効果はなくなってしまうのだそうだ。


フライパンに昆布を敷き、上の「水」入れ火にかける。昆布はなくてもいいが、「あったほうがうまい」とは、魚屋のおばちゃんのアドバイス。

ほんとは昆布はもちろん、水にひたして、しばらく置いておいたほうがいいだろう。


沸騰してきたら、さんまとごぼうを入れる。さんまは皮を上にする。これはさんまの皮が、煮ているうちに破れてしまわないようにするためだ。


ここで味付けをする。

味付けは、まず甘みを好きなだけ適当な量入れ、それから今度は、慎重に味を見ながら、塩からさが丁度良くなるように、醤油を入れていくようにする。

甘みをたくさん入れれば、コッテリするし、甘みを少なくすれば、あっさりするというだけの話で、甘みの量は、お好みしだいだ。

ただ醤油の量は、慎重に決めていかないと、甘すぎたりからすぎたりすることになる。

昨日はスプーン(計量スプーンでなく、カレーとかを食べる普通のスプーン)で砂糖を2杯と、みりんを「じゃばじゃばじゃば」という程度入れた。


火加減は、強めの中火。沸騰した煮汁が、きちんと魚の上にかぶる程度の強さにする。

落し蓋をするが、木の本格的な落し蓋がない場合、アルミホイルやクッキングシート、厚めのキッチンペーパーを使えば良い。



魚を入れてから、あらかじめ決めた時間たっても、まだ煮汁が煮詰まっていない場合、魚は取り出し、煮汁だけ煮詰めるようにする。煮汁はやはり、コッテリと煮詰まっていたほうがうまい。

煮汁が煮詰まったら、これを魚とごぼうの上から、トロトロと回しかければ、煮付けの完成。




いやこの、脂が乗ったさんまが、甘辛く煮上がるのは、たいっへんうまいです。ごぼうとの相性も、言うまでもなくバッチリ。

しょうがを入れてもうまかっただろうなと、あとから思ったが、入れなくても取り立てて問題はなし。

このさんまの照り煮に日本酒は、最強の取り合わせと言えるのじゃないか。もちろん白飯にも、バッチリ合いそう。