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2011-10-13

タレに漬け込みしみじみとした味。鶏ももの照り焼き


鶏もも肉が庶民の強い味方だということには、誰も異存はないだろう。

いちばん高いもも肉でも、100グラム100円程度、特売だと80円とか、70円くらいになることもあり、豚や牛に比べ圧倒的に安い。ブラジル産だとさらに安いし、胸肉だの手羽元、手羽先などになると、それよりもっと安い。

それがまずいのかといえば、もちろんそんなことはあるはずもなく、他の肉にはないモチモチとした食感がたまらないときているし、またもも肉にしても、手羽元、手羽先にしても、切り売りでなく「丸ごと」感が高くて、豪華な感じがする。骨付きのもも肉などは、クリスマスのごちそうにまでなってしまう。

焼いてもよし、煮てもよし、出てくる出汁もクセがなく上品で、いいことずくめなのである。



鶏もも肉の食べ方として、王道ともいえるのは、ただ塩コショウをすり込んで、焼いてしまうことだろう。青ネギにレモン汁で和風にしてもうまいし、オリーブオイルにハーブを使えば、あっという間に洒落た洋風にもなる。

ただ鶏もも肉は、少し厚みがあり、デコボコしていたりするから、意外に焼くのがむずかしい。生焼けだったり、逆に火が通りすぎてパサパサになってしまったりする。

鶏もも肉をうまく焼く方法は、「ためしてガッテン」のホームページに詳しく書いてある。このやり方は僕もこれまで何十ぺんとなく実践し、間違いなくうまく焼ける。

要は、「弱火でフタをせず焼く」ことだ。

ためしてガッテンによれば、もも肉が焼き足りなかったり、逆に焼きすぎてしまったりするのは、どこまで焼けたか、中を見るのがむずかしいからだ。ところが予熱をせず、フタもせず弱火で焼くと、もも肉の側面に、どこまで焼けたかがはっきり表れるようになる。白く火が通った部分が真ん中まで行ったら、ひっくり返して、また真ん中の、さっき火が通った地点まで、今度は反対側から火を通せば、焼き加減はバッチリになるという話だ。


フタをしないから、時間が30分ほどはかかるのが難点だけれども、皮も水分を含むことなく、パリパリに仕上がる。

もしまだこのやり方を試したことがない人は、ぜひやってみて、「ガッテン」してもらいたい。



昨日は日曜の特売で買った鶏もも肉が冷蔵庫に入っていたから、またいつもどおり塩焼きにしようかとも思ったが、この頃にわかに「漬ける」ことに目覚めてしまったから、鶏もも肉も漬け込んでから焼いてみることにした。


タレは酒にみりん、砂糖、それから醤油。酒、みりん、砂糖は、それぞれ適当な量ずつ入れ、そこに味がちょうど良くなるまで醤油を足す。

ジップロックの袋にこのタレと肉を入れ、ちょっともみ込んでみたりもして、3時間ほど、冷蔵庫に放置した。


フライパンで皮目から、フタをせず弱火で焼き始めてみたが、塩焼きと違い、肉にタレが浸っているから、途中で焦げてきてしまった。そこで急遽、フタをせず焼くのはやめ、ひっくり返したらフタをして、早めに火を通してしまうことにした。

というわけで、タレにひたした鶏もも肉を焼く場合、「弱火でフタをして焼く」のが正解だ。

ほぼ火が通ったか、という頃になったら、肉をつけておいた汁をフライパンに空け、一緒に煮詰め、肉にからめるようにする。肉に煮詰まったタレが、ひと通りからまれば出来上がりだ。




照り焼きは、生肉をそのまま焼き、あとからタレをからめる方法もある。焼き鳥屋がタレの焼き鳥を焼くのもその方法だから、そちらのほうが、日本では一般的なのだろう。これは理由として、一つには、タレにひたして焼いてしまうと、焦げやすいからなのだろう。でももう一つには、日本人が、「素材そのものの味を好む」こともあるんじゃないか。

肉の中までタレに浸ってしまったものより、外側だけタレの味がして、中は肉そのものの味がする、そういうものを好む気持ちは、僕自身もよくわかる。

でも韓国を初めとして、肉をよく食べる地域では、肉を焼く時には、あらかじめタレに漬け込んでおくというのが主流なのじゃないか。クリスマスのローストチキンだって、肉はあらかじめ漬けておくわけだしな。

実際、中まで味がしみた肉は、しみじみとした味わいがある。しかも今回、焼き加減のせいなのか、それともタレにひたしたのが良かったのか、とてもプリプリに仕上がった。

ちなみにこれは、青ネギと山椒をたっぷりと振るのがうまい。




昨日は再び、八百屋でナスを買ってきた。八百屋のおいちゃんによれば、露地物のナスは、今週か、遅くても来週には終わり、あとはハウス物になるんじゃないかとのこと。ナスの旬が終わってしまう前に、せいぜい食べておかないといけない。

旬のナスの塩もみは大変うまく、毎日食べても飽きない。半分に割ったナスを3ミリ幅程度に切り、そこに塩をパラパラとふりかけ、水もちょっぴりたらして、手で塩を、軽くもみ込むようにする。5分ほどおいて、水気が浮きだしてきたら、手でよく絞る。醤油も薬味も何もいらず、そのままで十分うまい。