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2012-01-13

酒粕をたっぷり使った粕汁仕立て。
「石狩的鍋」


スーパーで、紅鮭の切り身を98円で売っていたから、これを2つ買い、酒粕をたっぷり入れて石狩鍋にするつもりでいたんですが、あとでいろいろ調べてみると、石狩鍋は、酒粕を入れることもあるけれど、基本は味噌がベースなのだとのこと。

今回この鍋には、味噌は使わず、京都流粕汁の要領で、うすくち醤油を使ってしまったから、これは厳密にいうと、石狩鍋ではないことになってしまう。

そこで、「石狩的鍋」としてみました。

まあしかし、おいしいことには間違いありません。



料理というのは、おいしければいいのだから、名前などどうだっていいと思うところなのだけれど、しかしこうやって、ブログに載せたりする時には、何かの名前を付けないといけないわけだから、まったく無視してしまうわけにもいかない。

料理は、自分で作り方を考えて作っていると、何と呼んだらいいか分からないものが、どんどん出来てしまうんですよね。

僕はよく鍋を作るわけですが、いちばん微妙だと思うのが、「鍋」と「汁」の違い。

たとえば、石狩鍋は、なぜ「石狩汁」ではいけないのか。

卓上に鍋をおいて、それをみんなで突つくのが鍋である、という気もするけれど、ならば石狩鍋は、卓上に鍋をおかず、お椀に取り分けるようにすれば、石狩汁になるのか。

鍋は、汁に比べて、色々な種類の具が、たくさん入っているような感じもするのだけれど、それならば、具だくさんの豚汁は、「豚鍋」になるのか。

とちょっと、屁理屈をこねてみました。



今回、紅鮭が切り身なので、昆布だけではだしが足りないだろうと思い、昆布に加えて削りぶしで、だしを取ってみましたが、これがじつに正解だった。

以前紅鮭のあらを使い、粕汁を作った時に、近所の魚屋のおばちゃんは、

「ちゃんとだしを取って・・・」

と教えてくれたんですね。

まあしかし、あらだから、十分だしは出るだろうと思い、その時は昆布を鍋に敷いただけにしてしまったんですが、今回昆布と削りぶしのだしを使ってみると、こちらの方が、はるかにうまい。

酒粕と削りぶしの出汁の味が、またなんともよく調和して、酒粕の独特の、酒臭いところがまったくない。

「クリーミー」とすら、いいたくなる。

だしにより、料理の味がこれだけ変わるものかと、あらためて実感しました。



酒粕は、けっこうたっぷり入れる。これは事前に、だしに浸して、ふやかし、溶いておきます。



入れた材料は、まず紅鮭。これはもう塩漬けにされているものだから、湯通しも何もせず、そのまま入れます。

それから玉ネギに、ジャガイモ。石狩鍋となれば、北海道の名産は、欠かせません。

しめじと油揚げ。豆腐でもいいですが、油揚げのほうが、よく汁気を吸い込みますね。

大根と白菜。水炊きでなく、汁に味をつける鍋の場合、汁気をたっぷり吸った大根と白菜は、たまりません。

そこへだしを注ぎ、だしで溶いた酒粕を入れ、うすくち醤油を少なめにかける。

紅鮭から塩気が出てくるし、さらに鍋は、火にかけているうちに煮詰まってくるから、醤油は控えめにしておくのがポイントです。



あとはこれを火にかけ、ぬる燗をチビチビやりながら、鍋が煮上がるのを待つ。

つまみはスグキ。


けっこうな量になりましたけど、あまりにうまくて、ほぼ一気食い。

まあしかし、紅鮭の他には野菜ばかりなので、それほど太ることは、ないのかなと。

七味をふると、うまかったですが、粉山椒をふってもうまいみたいです。