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2012-02-12

シロノワールが名古屋以外でも食べられるようになっているのは嬉しいですね。


5年前まで約2年間、名古屋に住んでいたことがあるんです。

東京で育った僕にとって、東京以外の土地に住む初めての経験だったこともあり、名古屋での生活は衝撃の連続で、当たり前だと思っていた東京の流儀が、じつはむしろ非常に特殊であることを思い知らされたのでした。

「名古屋の人は、通勤に30分以上かかるようなら、会社を辞める・・・」

これはもちろん、名古屋の人が半分冗談で言うことですが、実際通勤に30分以上かけている人は、東京以外の場所ではそう多くはないでしょう。

ましてやすし詰めの満員電車で1時間以上かけるという、非人間的なことが普通であるところなど、東京以外であるわけがありません。



名古屋に行ってまず驚いたのは、道ですれ違う女の子と、目が合うことが多いことでした。

東京で、すれ違う女の子と目が合うことは、100%ないと言っていいでしょう。

すれ違う女の子を見てしまうことは、東京では「負け」を意味すると言ってもいいと思います。

東京には、呼び込みやキャッチセールスなど、歩行者を食い物にしようとする怪しげな人が多いため、知らない人と関わり合いになってしまうことは、危険であるとすらあるという事情は、たしかにあるのは間違いありません。

また人があまりに多いため、他人にいちいち関心を持っていたら、身が持たないということもあるでしょう。

だから東京以外の場所では、すれ違う人と目が合うことは、決して珍しくはないわけですが、名古屋の人がすれ違う人を見る頻度は、広島や京都とくらべても、高いのじゃないかという気がします。



名古屋のお婆さんは、電車の中で、見ず知らずの人に家族の話をするような調子で話しかけてきたりします。

天気の話から始まり、気がついたら話し込んでしまっていることもある。

名古屋では、エレベーターでドアの近くにいる人が、「開く」ボタンを押して他の人が全員出るまで待っていることは、当たり前のマナーとなっている。

居酒屋や喫茶店、ファミレスでも、アルバイトの女の子と話すことが、東京の下手なキャバクラなどよりよっぽど楽しい。

他人との距離が、東京はもちろん、他の土地とくらべてもとても近いことが、名古屋の特徴なのではないでしょうか。



名古屋の食べ物が、「名古屋めし」と呼ばれる独特なものであることは、よく知られているでしょう。

「味噌カツ」や「味噌煮込みうどん」など、名古屋名産の赤味噌を使ったものが多いわけですが、名古屋めしの特徴は、「赤味噌を使う」ことではないように思えます。

一見ミスマッチと思えるものを合わせる天才。

味噌カツも、もともとは「串かつ」と「味噌煮込み」を合わせたものだと言われます。

タルタルソースとドミグラスソース、マヨネーズとソースを合わせてかける。

あんことトーストを合わせる。

喫茶店めしの3雄ミートソースとナポリタン、それにカレーをあわせて、ひとつの食べ物にしてしまう。

温かいクロワッサンに、冷たいソフトクリームをのせる。

初めて見ると意外でびっくりするのだけれど、食べてみると、たしかにおいしく、それが今までなかったことが不思議にも思えてくる。

名古屋には、そんな食べ物であふれています。



クロワッサンにソフトクリームをのせた「シロノワール」は、「コメダ珈琲店」のオリジナルメニューですが、コメダ珈琲店は東京をはじめ全国で積極的に出店していますから、名古屋以外の人でも食べられるようになっているのが嬉しいですね。