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2012-03-20

たいへん簡単、非常にうまい。
「豚肉の焼きそば」




京都には、「おばんざい」の店がたくさんあるわけなんですが、その中でも昨日行った「御飯処 山ふく」は、異色といえるのじゃないでしょうか。

京都の飲食店は、どうしても気取ったところがあり、それが京都の良さでもあるのだけれど、多少窮屈なところがなくもない。

ところが「山ふく」は、そんな気取ったところが微塵もなく、親戚のおばさんの家にでも来たような気安さでくつろげる。

もう49年やっているそうなので、老舗の部類に入ると思うんですが、大層にかまえたところが全くないのが魅力なんですね。



場所は祇園の中心街。

四条通から花見小路を下がり、一本目の道を東に入ったすぐのところ。

花見小路沿いは、お茶屋の「山ふく」になっていて、そちらが本家のようですが、その裏の、もともとは住宅だったところを改装して、おばんざい屋を始めたそうです。



以前はランチで来たのですが、1,800円という、観光地ど真ん中のこのあたりの店の中では、比較的安い値段で、おばんざいが10品ほども出てきました。

さらにおまけもいくつも出てきて、男性でも完全に満腹になるという量。

20食限定で、ふつうは予約しないと入れないところ、キャンセルが出たというのでたまたま入れましたが、味もどれもよく、夜も一度来てみたいなと思っていたのでした。



山ふくのおばちゃんは、ひとことで言えば、「肝っ玉母さん」風。

「口は悪いが心はやさしい」というタイプです。

息子さんなのでしょうか、男性と、若い女の子とで給仕をしてくれました。



昨日は友達と2人で、いろいろ頼んでみましたが、京都の昔ながらの家庭料理の数々、どれも大変おいしかったです。



まず出てくるのは、大量の漬物。

おばちゃんが自分で漬けるのだそうですが、どれも素朴でおいしいです。



小芋。

醤油で甘辛く炊いてありますが、柚子の風味が香り立ちます。



いわし煮。

長い時間炊いて、味がきっちりしみています。



山芋の短冊に、卵の黄身ときざみ海苔。

わさびをのせ、醤油をたらします。



湯豆腐。

しめじと青ねぎ、春菊、葛きりといっしょに、だしで炊いてありました。

ポン酢で食べます。



みしじみ。

しじみを甘辛く炊いたもの。

お節句の料理だそうです。



てっぱい。

わけぎのぬたで、赤貝が入っている。



なっぱ煮。

これはしろ菜でしょうか、なっぱと油揚げを炊いたものですが、いわゆる「青菜とお揚げの炊いたん」とちがい、たっぷりのだしが入って、吸い物のようになっています。

これは初めて食べましたが、大変いいですね。



これにあと、写真を撮り忘れましたが、かやくご飯でシメました。

たっぷりのイカナゴの釘煮が添えられます。



お酒をそれなりに飲んで、3時間ほども長居して、お勘定は2人で7,700円。

祇園という場所柄もありますから、1万円くらいかなと思っていたら、だいぶ安かったですね。



御飯処 山ふく






その後、この山ふくからほど近いところにあるバーへ、初めて行ってみました。

「フィンランディア・バー」という名前にそぐわず、町家を改装した和風の作りになっています。



しかし中へ入ると、モダンなバー。

ゆったりとした椅子のカウンターと、後ろにはボックス席、2階には団体用の個室もあるということでした。

食べログの評価が非常に高かったので行ってみましたが、もう30年になるお店だとのこと、店員の感じもよく、店も落ち着ける雰囲気で、大変よかったです。



突き出しは、ミックスナッツとドライフルーツ。



「フィンランディア」というウォッカが、目玉商品となっていますが、もちろんお酒はカクテルその他、さまざまな種類があるみたいです。



チャージが1人500円、それに飲み物は、1杯1,000円でした。

このあたりの店としては、わりと低料金といえるのではないでしょうか。



フィンランディア・バー






祇園から家まで、途中でラーメンでも食べようと歩いて帰りましたが、もう時間が遅かったため、ラーメン屋はあいておらず。

それで24時間営業のスーパーに寄って、朝めしの材料を買って帰りました。

飲んだ帰りにスーパーに寄るなど、以前では考えられなかったわけですが、人間、変われば変わるものだ。

買い物をしてしまうと、自炊モードに切り替わり、「ラーメンを食べたい」などという気持ちが吹き飛んでしまうのが、我ながら笑えます。



作ったのは、「豚の焼きそば」。

昼めしなどにしょっちゅう作って食べていますが、たいへん簡単にできて、しかも非常にうまいです。

材料は豚こま肉と、斜め切りした長ねぎ、焼きそば麺。

それに酒と醤油、それぞれ8分の1カップ程度を合わせたものに、おろしショウガを入れたタレ。



強火にかけた鍋に油をひき、豚肉を炒めたら、タレをジャーと注ぎ込みます。

そのまますこし炒め、豚肉の味をタレに溶かし込ませるようにしたあとに、長ねぎと焼きそば麺を入れる。



麺にタレをしみ込ませるようにしながら、よく炒めます。

最後に味見をして、もし味が足りなければ、塩を足したら出来上がり。



焼きそばというと、「ソース」となりがちですが、こういうあっさり味も、またいいですね。

この料理は、ウー・ウェン「大好きな炒めもの」の中にあるものです。

この本も、中国の家庭料理がたくさん載せられていて、参考になりますよ。

ウー・ウェン女史のコメントが、またかわいくて泣かせます。