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2012-05-16

満腹になってはいけない食事。
「豚ロースの梅かつおソース」


食事をするのは、その1つの目的として、「空腹を満たす」ことがあるわけですが、こと「酒の肴」となると、話はまったく変わってくるんですね。

酒を呑むときには、やはりそのほろ酔い状態を、できるだけ長い時間、味わっていたい。

酒を呑むのは、酔っ払って、気持ちよくなるのが目的ですから、せっかくなら、酔っ払った状態がすぐに終わってしまうのでなく、十分楽しみたいわけです。



そうなると、大敵は「満腹」であるということになる。

お腹が一杯になると、もうそれ以上、酒を呑みたくなくなってしまうから、酒の肴に必要なことは、まず何より、

「食べてもお腹が一杯にならないこと」

なんですね。



ですから麺やご飯など炭水化物系は、酒を呑んだあとのシメにはいいけれど、酒の肴には、適当でないことになる。

それに対して、豆類などは、アルコールを分解するための栄養分を豊富に含みながらも、お腹がふくれないので、酒の肴としてうってつけだということになります。



ただ「食事」に対しては、やはりそれなりの満足感が、食べる以上、必要にはなりますから、酒の肴が、満腹を目的としないのならば、それに代わる、何らかの目的がないといけないことにはなってくるでしょう。

それが「美味」なんだと思うんですね。



もちろん人間が、味覚を感じるものである以上、食べ物はうまくなければいけないわけですが、空腹を満たすためのものならば、とりあえず空腹が満たされれば、まずは第一の目的は達成されたことになる。

ところが酒の肴は、満腹を目的としませんから、その存在価値は、美味によってしか証明できない。

酒の肴は、おいしくなければ、まったく意味が無いことになってしまうんですね。



ですから酒の肴を開発することが、「料理の発展」に寄与した役割は、たぶん、非常に大きいのだと思うんです。

ヨーロッパの上流階級の人などは、お腹が一杯になると鳥の羽を喉に突っ込んで、今食べたものをもどしてから、また食べたといいますから、食事に満腹など求めていなかったでしょう。

酒を呑み、酩酊状態にいながら、おいしいものを食べ続けるということに、贅沢な楽しみを見出していたに違いありません。



白飯や麺類がおいしいのは、それらが実際に人間の体にとって、欠かすことのできない栄養源になるからで、人間はそれらを、本能的においしいと感じるものだと思うんですが、満腹にならずしておいしくなければいけない酒の肴は、本能に訴えることができませんから、より技巧的にならざるを得ないものだといえるでしょう。

酒の肴のおいしさは、本能ではなく、「脳」に訴えるものでなくてはいけない。



そこに、「プロの料理人」の出番があるともいえるのだと思いますが、ただ不思議なことに、これは「日本人にとって」ということなのか、万国共通なのかはよくわかりませんが、酒の肴には、シンプルなものの方が合う。

ゴテゴテと手をかけたものは、ワインなどにはいいのかもしれませんが、日本酒や焼酎を呑むには、ごくごく単純なものの方が、おいしく感じられるもののように思います。

そうなると酒の肴は、べつにプロの料理人でなく、素人であっても、十分手に負えるものになるということだと思うんですね。



酒を呑むということは、基本的に、非生産的な活動です。

非生産的であるからこそ、そこに手をかけずに美味を追求するということが、日本人にとっては、1つの美学になっているということなのかもしれません。





今日は、「ハマグリの潮汁」「ほうれん草としめじのカラシ酢醤油和え」「もやしのゴマ和え」、それに「豚ロースの梅かつおソース」を肴に、燗酒を呑みました。

どれもよかったですよ。

ただ本当は、酒の肴は、量が少なめの方がいいんですが、1人だとどうしても、ほうれん草でももやしでも、1把や1袋を買わなければならず、食べられないほどではないけれど、酒の肴には量が多すぎることになってしまうのが、ちょっと残念なところです。





ハマグリの潮汁。


<材料>

・ ハマグリ  1パック(4~5個)

・ 水  400ccくらい
・ だし昆布  1枚
・ 酒  大さじ1
・ うすくち醤油  小さじ1
・ 塩  少々


<作り方>

1. ハマグリは、1カップくらいの水に、小さじ1くらいの塩を溶かし込んだ水に1時間くらい浸して砂出しをし、よく洗って殻の表面についた汚れを落とす。

2. 鍋に水を張り、昆布を入れて30分くらいおき、ハマグリを入れて中火にかける。沸騰したら昆布をとり出し、アクを取りながらハマグリの口が開くのを待つ。

3. ハマグリの口が開いたら、火を弱め、酒とうすくち醤油、塩で味付けし、味が決まったら火を止める。





ほうれん草としめじのカラシ酢醤油和え。


<材料>

・ ほうれん草  1把
・ しめじ  2分の1パック

・ うすくち醤油  大さじ1
・ 酢  大さじ1
・ カラシ ほんの小指の先程度


<作り方>

1. 鍋に湯を沸かし、しめじをサッと、30秒ほどゆで、網などですくい取って皿に取り、そのまま冷ます。

2. 同じ湯でほうれん草をサッとゆでる。ほうれん草は、面倒でも、1茎ずつゆでるようにして、ゆでる時沸騰を保ったままにしておくほうがおいしいです。ゆでたほうれん草は水にとって冷まし、絞って4センチ長さほどに切る。

3. 器にうすくち醤油と酢を入れ、カラシをよく溶かし、ほうれん草としめじを和える。





もやしのゴマ和え。


<材料>

・ もやし  1袋

・ すりゴマ  大さじ1くらい
・ うすくち醤油  大さじ1
・ みりん  小さじ1


<作り方>

1. もやしを塩をふった湯でサッと30秒程ゆで、ザルにとって冷ます。

2. もやしを器に入れ、すりゴマ、うすくち醤油、みりんで和える。





豚ロースの梅かつおソース。


<材料>

・ 豚ロース  100グラムくらいの1枚
・ 梅干し  2~3個
・ 大葉  2~3枚

・ うすくち醤油  小さじ1
・ 酒  大さじ1
・ みりん  小さじ1
・ かつお節  2分の1パック

・ 片栗粉  大さじ1くらい
・ サラダ油  大さじ1
・ 塩 小さじ4分の1くらい


<作り方>

1. 豚ロースは、脂肪と赤身のあいだに包丁を入れ筋を切り、塩をふって、1口大に切り、片栗粉をまぶす。

2. 梅干しはタネを除き、包丁でよく叩いてペースト状にし、うすくち醤油、酒、みりん、かつお節とあわせてタレにする。大葉は細切りにする

3. フライパンにサラダ油をひき中火で温め、豚ロースの表裏を焼く。

4. 豚ロースが焼けたら、タレを入れ、全体をざっとからめて火を止める。

5. 器に豚ロースを盛り、タレを上からかけて、大葉をのせる。





今日は1日雨。

でも明日は晴れて、暑くなるらしいです。