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2012-07-01

三平汁


今日の晩酌。

肴は三平汁と梅キュウ、昨日の残りのインゲンの煮物と農家のおばちゃんの大根ぬか漬け。



三平汁。

塩鮭のあらを野菜と煮込み、酒粕と味噌で味付けする。

酒粕は体が温まるから、冬の料理の定番だが、檀一雄は「檀流クッキング」で「梅雨バテを防いでみたらどうだろう」と、梅雨の時期の料理として紹介している。

京都の「粕汁」は、塩鮭に短冊に切った大根とニンジン、油揚げと青味のセリだけでシンプルに作るけれど、三平汁は北海道の郷土料理だから、玉ねぎやらジャガイモやらが入ることになる。



塩鮭は塩が強い場合は、水に30分~1時間くらいひたして塩抜きする。

鍋に水を張り、塩鮭と昆布をいれて火にかけて、あくを取りながら3分煮、昆布を取り出したらさらに5分くらい、あくが落ち着くまで弱火で煮る。

大きめに切った玉ねぎとジャガイモ、5ミリ幅くらいに切った大根とニンジン、それから油揚げをいれ10分くらい煮る。

煮ているあいだに、酒粕と味噌を煮汁で溶く。

塩鮭の塩があるから、味付けは甘めにしておくのがポイント。

溶いた酒粕と味噌をいれ、さらに5分くらい煮る。



梅キュウ。

うっとうしい梅雨の時期には、さわやかな食べ物。

キュウリをすりこぎで叩いてヒビをいれ、手で割って食べやすい大きさにする。

塩ひとつまみをふり手でもみ込んで、10分くらいおき水で洗い、キッチンペーパーで水気をふき取る。

梅干し2~3個を包丁でたたき、同量くらいのみりんと少しのうすくちしょうゆで溶き、甘酸っぱい味にして、キュウリを和える。



酒は芋焼酎水割りを3杯。






いつもは千円札1枚をポケットにねじ込んで夜の散歩に出かける僕だが、今夜は金曜日。



「何かが起こりそうな気がする・・・」



先週も、金曜日は女性と出会い、朝まで飲んだ。

何があってもいいように、僕はポケットに、2千円をねじ込んだ・・・。



まずは立ち飲み屋に出かけてみる。

昨日は大将しかいなかった立ち飲み屋だが、今日は満員。



しかもお客は全員女性・・・。



40歳くらいの女性の4人連れと2人連れがカウンターの左右にいるその真中へ、僕は場所をとる。

女性ばかりの雰囲気にちょっと圧倒された僕は、とりあえず焼酎水割りを注文し、だまって飲み始める。



さらに後からお客さんが入ってくる。



これも女性・・・



30歳くらいの2人連れ、1人は常盤貴子にちょっと似ていて、目元の涼しいかわいい子。

以前から僕は、この店で何度か見かけたこの子と、話してみたいとおもっていた。



常盤貴子は、僕の左隣に場所をとる。



これはキタ・・・。



焼酎水割りをたのんだ僕は、とりあえず常盤貴子に話しかけてみる。

「ここで何度か、お会いしていますよね」

「そうですか、すいません、憶えてません、私飲むと記憶をなくすことが多いもので・・・」

酒を飲んで家に帰ると、記憶がないままお菓子を食べ、朝起きてみると、封がしっかり閉じられたお菓子の袋が、部屋に置かれていたりするそうだ。



しかし、会話は続かない・・・。

常盤貴子はすぐに友達と2人で話し始める。

僕はふたたび話しかけてみるけれど、2人の話に割り込めない。



右隣の40歳の女性2人連れとは、話が盛り上がった。

1人はお寺まわりが好きだそうだ。

僕が「南禅寺がいちばん好きです」というと、「私もです」と意気投合。

もう1人はつい最近離婚したとのこと。

「おめでとうございます」

同じバツイチとして、こちらも意気投合。



やがて右隣の女性2人は帰っていった。

左隣に常盤貴子。

僕は「今度こそ」と意気込んで、焼酎水割りをおかわりする・・・。



しかしやっぱり、話せない。

会話の糸口が見つからない。

そのまま虚しく時は過ぎ、常盤貴子と友達は、お勘定をして帰っていった・・・。

残された僕は、水割りを飲み干し店を出た。



立ち飲み屋を出た僕は、近くのバーへ入ってみた。

この店はよく、かなりの美人が入っている。

先客は、男性2人と女性2人。

焼酎水割りをたのんで少し話をしていると、お客さんが入ってきた・・・。



女性の1人客・・・。



年の頃は20代、黒くツヤのある髪をおかっぱにして、愛くるしい顔をしている。

話しかけると、女性は四国出身。

西日本の話をしばらくする。



しかし話は盛り上がらない・・・。

たのんだ酒を飲み終わった女性は、「明日仕事が早いから」と帰っていった。

僕も酒を飲み干し、店を出た。



鉄板焼屋をのぞいてみる。



常盤貴子がいる・・・。



相変わらず、友達と2人で話し込んでいる。

しかし立ち飲み屋で話に入れなかった僕が、鉄板焼屋で話に入れるわけがない。

僕は常盤貴子をあきらめて、キム君の店に向かうことにした。



キム君の店をのぞいてみる。



女性の隣が空いている・・・。



僕は店に入り、女性の横にすわった。



しかし女性は、キム君の奥さん。

「あ、はじめまして・・・」

挨拶をし、世間話をする。



店には、昨日出会った横山やすし似の男性が1人で来ていた。

横山やすしは僕より年が1まわり上、やはりバツイチで1人暮しをしているそうだ。

「おれは自分で料理もするし、女に下手になつかれるのも邪魔くさいから結婚はせえへんねん・・・」

そのかわり若いオネエちゃんを求めて夜ごと飲み歩き、餃子チェーン店の「王将」でも、若いオネエちゃんをこれまでに3人、ナンパしたことがあるのだそうだ。

「師匠と呼ばせていただきます」

「おう、お前、うっとうしいけどかわいいな」



焼酎を飲みおわって家に帰った。

家でもさらに焼酎を1杯か、2杯・・・。



翌朝起きたら、記憶にない僕のツイート。



「まだ記憶はあるよ。たぶん・・・」



「何か起こるかもしれない」と、2千円もって家を出た金曜、起きたのは記憶をなくしたことだけだった。