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2013-05-28

幕内秀夫 『粗食のすすめ レシピ集』 『粗食のすすめ お弁当レシピ』

粗食のすすめ


この本は、「お弁当レシピ」のほうをもう10年以上前に買い、「レシピ集」の方は最近買ったもの。
和食のおいしそうな料理がたくさん載っているので、ぼくの場合かなり参考にするところが多い。



著者の幕内秀夫氏は、1953年生まれだから今60歳。
東京農業大学栄養学科を卒業した管理栄養士で、現職は「フーズ&ヘルス研究所」主宰というから、いわば食の専門家。
「FOODは風土」の視点から、日本の食を捉え直そうとしている。

山梨県の長寿村、棡原を知って以来、日本各地をまわって伝統食の研究をしてきたのだそうで、この『粗食のすすめ』に載っているメニューも、各地で作られてきたものなのだろう。
料理法など「目からウロコ」の思いがするものが多い。

たとえば魚の焼き方について、ものすごい数のやり方が書かれている。
「塩焼き」「照り焼き」くらいは誰でも知っているのではないかと思うけれど、そのほか「焼きびたし」「つけ焼き」「カレー風味」「かば焼き」「焼きづけ」「七味焼き」「卵つけ焼き」・・・、などなど。
まだまだある。

ご飯メニューも豊富で、「あさりとショウガの炊き込みご飯」「あずきご飯」「茶めし」「梅じゃこご飯」「切り干し大根のご飯」「鮭の香りずし」・・・、などなど。
「お弁当レシピ」のほうには、おにぎりのレシピも多数載っている。

和食は、料亭や料理屋で食べる洒落たものは別として、伝統的な家庭料理は、詳しくない人が多いのではないか。
たぶん戦争を挟んで、親から子への継承がうまく行われなかったのではないかとぼくは踏んでいるのだけれど、ぼくも子供の頃は、ハンバーグなど洋風な食事が多く、伝統的な和食をそう食べた覚えがない。

しかしたしかに、洋風も悪くないけれど、魚や野菜を中心とした伝統的な家庭和風料理のおいしさは、日本人にとっては格別のものがあり、その作り方をこうして紹介してくれるのは、大変ありがたい。

ただこの『粗食のすすめ』はちょっとクセもあり、主張が強すぎるところがあると感じる。
伝統的な和食がいいのは分かるけれど、返す刀で
「現代の洋風な食事は良くない」
と来る。
本の冒頭に、それを延々と書き連ねているところがあり、正直辟易するところがないではない。
現代の人の大多数が食べているものを攻撃したからといって、その人達が考えを変えるとはそうそうあるとは思えず、もうちょっと穏やかなやり方で考えを広めていったらいいのではないかと思うのだけれど、どうなのだろう。

という欠点はあるけれど、この『粗食のすすめ』、いい本であることは間違いないから、伝統的な和風家庭料理に関心がある人には、ぜひおすすめです。



「おっさんもクセは強いからね。」

『粗食のすすめ』と、チェブラーシカのチェブ夫

たしかにな。






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※ 『粗食のすすめ』その他のシリーズ

『粗食のすすめ 春のレシピ』

『粗食のすすめ 夏のレシピ』

『粗食のすすめ 秋のレシピ』

『粗食のすすめ 冬のレシピ』



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